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角界:更新2021/09/24

新制度・申告不戦敗を導入へ

27日、相模協会審判部は、勝負規定の追加条項として「申告不戦敗」制度の導入を決めたことを発表した。

この制度は、取組前に申し出があればその一番を不戦敗に出来るという画期的なもの。アマチュア相撲の強豪など実力者が初土俵を踏む際、幕下や三段目に付出されなかったとき、対戦相手の序ノ口・序二段にいる力士の負担やダメージを考慮して考案された。もちろん、申告するにあたっては条件を特に設けないことから、例えば対戦相手の張り手がヤバいとか、柔道出身で投げ技がヤバいとか、勝った後の人間関係がヤバいといった理由でも気軽に申告できる。理由の申告までは必要ないのも魅力的だ。

申告の仕方は簡単で、両力士が土俵に上がったら、申告する方が塵を切らずに行司にその旨を申告するだけでよい。申告を受けた行司は両者に立礼をさせた上で不戦場の力士に勝ち名乗りを与えることで勝負は成立する。決まり手などは特につかず、病気・ケガなどによる欠場と同様に「不戦勝」「不戦敗」の記録が残るばかりである。両者が申告した場合は両者「不戦敗」となる。

なお、もともとは実力差が著しい場合の危険防止の一環として考案されたものではあるが、幕内も含めた全力士に適用する。その理由について審判部からは「大リーグではメジャーリーグでも申告敬遠をするんだから、相撲におけるメジャーリーグといえる幕内・十両の土俵でもできないのはおかしい」とのことで、実に説得力がある。幕内の土俵で懸賞がかかった一番で申告不戦敗がなされた場合は、提供者に返還される。

力士側からは「勝負してほしいときにこれ(=申告不戦敗)をされるのは嫌だ、というのはあるかもしれない」(前頭・鷲尾嶽)といった、懸念を示す向きもある。また、申告不戦敗を見せられるファンの気持ちを考えると複雑なものもあるかもしれない。しかし、少なくとも力士のダメージは格段に減るため、基本的に関係者は新制度を好意的にとらえている。今はなき公傷制度に代わる、力士の救済策となるや否や。

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