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角界:更新2014/11/2

ルールの盲点突いた新技 流行の兆し

ここ最近、本当にごくわずかであるが、一つの「非技」で勝負が決まるケースが増えている。「非技」とは、反則などで本来の決まり手で勝負を決しなかったときに適用される勝負の決定理由をいうが、2〜30年ほど前にはほとんどみられることのなかった髷を掴んで相手を倒すことによる反則、いわゆる「マゲつかみ」がちらほらと見られるようになっているのである。

昔の「マゲつかみ」は、故意でないとされれば反則とならなかったため、その数が少なかったのだが、ここ最近は積極的に反則とみなすようになっているため数が増えているとされている。
しかし、もう一つの驚くべき理由がある情報筋からもたらされた。何と、髪を自分の意志で操れる力士が一部存在し、マゲを相手の手の中に潜り込ませる技術が開発されており、そのためこの反則が増えているというものだ。

その情報によれば、数年前に「小っさいものクラブ」と蔑まれていた三段目〜幕下の力士のグループがあったのだが、その内の一人がこの技術を努力の末開発。叩き込まれそうになるとマゲをその叩いてくる手のいずれかの指に絡みつかせれば完了。後はそのまま叩き込まれて、「マゲを掴まれた」ジェスチャーをサッカー選手のように行えば、まず間違いなく審判団が反則を取ってくれる。これを「小っさいものクラブ」の力士団ほぼ全員が血のにじむ努力で習得。現在、その内の数名はいずれも今年に入って関取になっており、残るメンバーも幕下上位に名を連ね、関取昇進も時間の問題。

当初彼らを「小っさいもの」と蔑んでいた力士達は彼らに教えを乞うたというがいずれも拒否されたという。力尽くで聞き出そうとしたある力士はその翌日、自分の黒髪で首を吊っているところを部屋の若い衆に発見され、すんでのところで一命を取り留めたが、その後引退して郷里に帰ったという。記者もその彼に取材を試みるも既に出家しており、髪と無縁の生活を送っていたためこの取材は断念した。

それにしてもこの「マゲつかませ」、相手のいわば「ファール」を誘う高等テクニックなのは間違いないが、自分の髪を動かすという高過ぎるハードルがある。これについて束京大学医学部教授・新田十四郎氏(相撲心理学)は「一見動かなさそうで動く体の部位は、実は意外とたくさんある。鼻とか耳とか。コツさえつかめば努力次第で乳首も動かせる」とのこと。

髪を動かすコツ―。それがどういったものかは結局この取材では不明のままだったが、今角界には想像を絶するこの「秘技」を持つ者がいることは確か。そんな彼らは仮に相撲で夢破れても、サーカス団員や芸人としての明るい未来が待っており、「力士をやめたらちゃんこ屋」という固定観念を吹き飛ばすブレイクスルー的な存在になりそうである。ひょっとしたら今私達は、大相撲の分岐点に立っているのかもしれない。

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