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スポーツ:更新2013/2/21

レスリング 五輪からの除外回避に秘策あり?

2020年以降のオリンピック種目から、レスリングが外される候補として挙がっていることが話題となっている。レスリングは古代オリンピックにも存在した競技で、もちろん近代オリンピックにおいても第1回大会から正式種目として採用されている。今回このような事態に陥ったのは、IOC委員にレスリング関係者がいないことに加えて、正式種目から除外されるのを防ぐためのロビー活動を行っていなかったことなど様々取りざたされているが、いずれにしてもこのままだとこのまま五輪種目から外されてしまう可能性はかなり高いという。これに関して、レスリング強国である日本、ロシアなど10か国が協力して対処する一方、プーチン大統領自ら、IOC会長に直談判しに行くなど関係者の動きがここにきて活発になってきている。

ところが、この問題が勃発するや、急に相撲関係者の動きが慌ただしくなったという。協会や連盟の役員クラスがレスリング関係者と接触する機会が増えているのだ。また、大相撲関係者もロシアからの打診を受けて2013年6月にロシア巡業を行う予定だが、実はこの後も、未定ながらヨーロッパ巡業がかなり多くの数、企画されているという。この件について関係者に話を聞くと、レスリングと相撲の仰天プランがあることが明らかになったのである。

オリンピックのアマチュアレスリングは、プロレスなどと異なり、円形のリングで、グレコローマン・スタイルとフリー・スタイルの2種を持つ。防御に使える体の部分が異なるが、勝利条件はいずれも相手の両肩を地につけること。また、ポイント制が採用されている。これに対して相撲は、相手を円の外に出すか体のどの部分でも地面に着いたら負けという競技。ポイント制はない。異なる点は多いものの、「地につけたら勝ち」という共通点から相撲は「スモウ・レスリング」と称されているのは周知の通り。そして、レスリングと相撲関係者は、グレコローマン・スタイルの一部ルール変更と、何と相撲を「スモウ・スタイル」としてレスリングに組み入れることで除外回避を図ることにしたのだという。

これに関して相撲関係者は、「レスリングの傘下に入ることになるが、互いの競技発展のために、小さなことにこだわるのはおかしい」とし、レスリング関係者も「日本の国技である相撲の世界的知名度を存分に利用させていただきながら共存共栄を図り、こちらは五輪復帰、向こう(相撲)は五輪種目化という実を取ることを狙う。2020年五輪がもし東京で開催されるならば、相撲を内包している我々レスリングが正式種目として残りやすくなるという計算もある。つまり、この協力は誰も損しない」と、伝統競技でありながら、恐らくは理不尽な理由で五輪競技から外されそうになっているレスリングが、相撲という誰も予想もつかない「爆弾」を抱えて、改めてオリンピックに乗り込もうとしている勢いが大いにうかがえる。

もし、この協力体制が維持されたまま、正式種目の座を守り切ることが出来れば、2020年からレスリングは、グレコローマン・スタイル、フリー・スタイル、そしてスモウ・スタイルの3種体制で行われることになる。また、体重別の階級についてはスモウ・スタイルのみ、男子は500kg級、女子は450kg級までの階級(男女とも30階級)が存在し、競技場も土俵のまま、ただしマワシについてのみ宗教上の関係などから協議を重ねている最中だという。

もともとこのオリンピックの種目数削減は、肥大化したオリンピックの縮小が目標とされる。そのため、種目は2020年以降も漸次減らされ続けて、2080年までにテコンドー1種目のみにすることはもはや決定している。そのため、「こんなことやっても無駄」と冷めている人は多いが、オリンピックが劇的に改革されてかつての高潔な精神に立ち返ることも期待する人もいるのは確か。「行き過ぎた商業主義」などといったオリンピック批判をどう跳ね返していくのか、IOCは問われ続けていくことになるだろう。


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