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特集:更新2005/06/03

徹底激論! 
匿名力士たちによる土俵の裏事情
ずばり本音で告白!

■北濃身理事長(原告・被上告人)は藤縞親方(被告・上告人)から密造品のペットコニ○キ2千トンを買い受ける契約をし、手付金2億円を支払った。受け渡しの方法は北濃身理事長が必要なつど申し出て、藤縞親方が引き渡し場所を指定し、北濃身理事長がドラム罐を持ち込むということになっていた。このペットコ○シキは藤縞親方が八角製鉄所から買い受けて、同製鉄所内の溜め池に貯蔵していたのを北濃身理事長に転売したものであった。約四分の一は引き渡したが、北濃身理事長が、品質が悪いとして引き取りにこないので、やがて藤縞親方は監視員も引き上げたところ、製鉄所の組合員がこれを処分し、ペットコ○シキは滅失した。北濃身理事長は引渡の不能を理由に契約を解除し、手付金の返還を求めた。原審は、売買の目的物は特定しているから善管注意義務違反の責を免れないとして北濃身理事長の請求を認めた。(最判昭和30・10・18民集9巻11号1642頁)

力士V 「北濃身理事長の責に帰すべき履行不能を理由にして契約を解除し手付金の返還を求める藤縞親方の請求が認められるかどうか。415条、543条、545条」
力士T 「特定物の場合は、その特定している物が滅失すれば履行不能となって、帰責事由が誰ににあるかが問題になるけど。種類売買の場合は、種類物はどこからでも調達することができるから、そもそも履行不能ということは論理的にないはず」
力士G 「でも種類物の場合でも特定した後は特定物債権に準じて扱われるから不能が問題になるし、設例の場合はおそらく種類物の調達範囲に枠がはまっている制限(限定)種類債権だから、その枠内の種類物が全部滅失したような場合には履行不能が生じうるよ」
力士I 「<特定>というのは債務者が引渡す目的物がある特定のものに集中するということね。<特定>すると善管注意義務がかされたり、対価の危険が移転するのね。401条2項、534条2項」
力士B 「限定された一定範囲の種類物全部が滅失するときは、目的物の特定をまたずして履行不能が起りうる」
力士D 「そうすると、履行不能の責が誰にあるかが問題になるわね。債務者に責があるときは、債務不履行責任の問題になるし、債務者にも債権者にも責任がないということになれば、危険負担の問題になる(534条−536条)」
力士E 「債務者(売主)に帰責事由があるかどうかだけど」
力士F 「監視員も置かずに第三者の盗難にあったわけだから、過失、善管注意義務違反がありそうだけど」
力士H 「控訴審も善管注意義務違反を認めている」
力士K 「確かに、善管注意義務には違反しているだろうな。でも問題はこの場合、債務者は善管注意義務を課されているかどうかだろう」
力士J 「種類債権の場合には、特定するまでは自己の財産におけると同一の注意義務しかおわないはずよ。善管注意義務は負わない」
力士Z 「種類債権と特定物債権とで注意義務の程度が違うなんて変だわ」
力士M 「種類売買の場合には一般的に不能は生じないから、注意義務の程度は問題にならないということだろう」
力士L 「差戻控訴審は、まだ特定していないから、債務者は善管注意義務は負っていない。自己の財産におけると同一程度の注意義務は尽くしているから、債務者には帰責事由がないという判断だったはず。北濃身理事長の手付金の返還請求を退けた」
力士O 「でも、特定していないというのは変だわ。債務者(売主)は繰り返し、引取に来るように要求しているわけだし」
力士Q 「この設例の場合、債権者が債務者の住所に目的物を受け取りにくる取立債務だから、債務者は債権者が引取にくればいつでも引き渡せるように履行の準備をして「口頭の提供」をすれば、弁済の提供としては十分なわけだ」
力士P 「有効な弁済の提供は行われている。それなのに、なお特定していないという理屈は変だな」
力士W 「債務者が債務者としてなすべきことをしていれば、有効な弁済の提供が行われているわけね。特定の作業は有効な弁済提供の論理的な前提のはずね」
力士U 「差戻控訴審は、確か、目的物の分離が行われていないから特定していないといっていたね」
力士T 「Hさんもしぶといね」
力士C 「こう言ってたわ。控訴人(藤縞親方)は被控訴人(北濃身理事長)が残余ペットコニシキの引渡を申し出で容器を持参すれば直に引渡をなしうるよう履行の準備をなし、言語上の提供をしただけであって、被控訴人に引渡すべき残余ペットコニシキを前記溜池から取り出して分離する等物の給付をなすに必要な行為を完了したことは認められないから、残余ペットコニシキの引渡未済部分は未だ特定したとは云い得ない」
力士S 「ペットコニシキという液体を分離する必要があったのかしら。債権者がドラム罐を持ってきたら、すぐ入れられるように準備するだけでいい。ふつう、こんな場合は分離はしないと思うけど」
力士R
力士A 「一種の詭弁だろう。特定の時期を後ろにずらすことにより債務者の注意義務を軽減する(「自己の物におけると同一の注意」)という操作がおこなわれている」
力士R 「そうすると、特定しているとすると、北濃身理事長の勝訴かしら」
力士M 「そうそう。Wさんの言うとおりだね」
力士N 「そんなことはない。仮に藤縞親方が、残代金の支払を求めて訴えたとしたら、この事件はどんな結末を見ただろうか」
力士B 「債務者は有効な弁済の提供をしているにもかかわらず債権者が引取にこないとすれば、債務者は債務不履行責任を免れるし、債権者は受領遅滞の責を問われることになる(413条)」
力士K 「特定は行われているから売主は善管注意義務を負っていると考えたうえで、売主は有効な弁済の提供をしているから、(あるいはさらに買主は受領遅滞にあるから、)売主の注意義務は軽減されていると構成する方法があったはずだ」
力士W 「有効な弁済の提供があり、債権者が正当な理由もなく受領を拒絶しているのであるから、債権者の受領遅滞が生じ、債務者(売主)の注意義務は軽減される、したがって本件の目的物の滅失は受領遅滞後の危険負担の問題として、つまり債権者(買主)が危険を負担する。買主は売主の債務不履行責任を問えないばかりでなく、売買代金を支払う義務があることになるはずね。ただ、本件では手付金の返還だけが問題にされていることが、本件の問題の本質を不明瞭にしているわ」
力士C 「ちょっと待って、「品質が悪い」から受け取りにいかないという買主の主張(抗弁)はどうなるの」
力士J 「枠内の種類物全部に隠れた瑕疵があるとすれば債務者としては現状のまま引き渡す以外にない(483条)。もちろん、瑕疵担保責任の問題は残る(570条、566条)」
力士Z 「いやEさんちょっとちがうよ」
力士D 「え?力士Qさん、本業は関取なの?」
力士G 「本件は、債権者の受領遅滞後の危険負担の問題ではないか。売主が売買代金を請求できる。もちろん引き渡された物の品質が合意された品質より粗悪であるとすれば、瑕疵担保責任が問題になる」
一同 「ふーん」

今川開発


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