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事件:教育・文化 2016/06/29

水素ちゃんこ、流行の兆し
話題の水素水を超えた?本格使用の逸品とは

今巷では水素水が話題だが、一方でその有効性に疑問を投げかける声があるのも事実だ。しかし、そんなこともどこ吹く風と、最近都内で「水素ちゃんこ」なるものが秘かなブームを巻き起こしている。

「水素ちゃんこ」は都内のちゃんこ料理店「チャンコねずみ」が提供している。今年の5月にリニューアルオープンを果たした同店は、普通のちゃんこ鍋も提供するが、新設の特別室で「水素ちゃんこ」を提供する。調理に手間と経費が掛かるため1週間前の予約が欠かせないが「今年の10月までは予約で埋まっています」(鼠田ヒロシ店長)とのこと。リピーターもそれなりにいるようである。

「水素ちゃんこ」は「本物」を追求する鼠田ヒロシ店長の執念によって生み出されたといっても過言ではない逸品。多額の改築費用をかけて、地下1階に常にマイナス255℃に保ち、水素を絶対に逃がさない特別室を建造する一方で、液体水素による調理の可能性を徹底的に研究した。が、沸騰はするが食材は凍りつくばかり。「仕方ないので食材は全て普通の水でに込んだ物を液体水素に投入しました」(同店長)とのことで、ここだけが悔やまれるところだという。しかし、食材を濃い目のちゃんこスープで煮込み切ることで、液体水素投入時にそのスープが液体水素に溶け出すのだという。

水素水ブームに乗っかって、「水素ちゃんこ」発売開始時にはお客も殺到。特別室での食事には絶対禁煙のほか防寒着が欠かせないが、水素水の効用を期待する客にとってそれは何の障害にもならない。むしろ、水素水どころではない本物の「液体水素」を摂取できるのだからそれくらいの手間はどうということはないのであろう。完食率も普通のちゃんこ鍋より少し高いとのことで「スープ(液体水素)まで完飲する方がほとんど。皆さん、本物に飢えていたんですねえ」(同店長)は目を潤ませながら語った。食べたことのあるお客さんも「食材はシャリシャリした食感で、口の中とお腹がエラいことになったが、水素の健康効果を考えると些細なこと」とご満悦だった。

客が勝手に特別室内のエアコンを「寒すぎるから」という理由で温度を上げたところ、部屋に水素が充満して客が窒息死するという痛ましい事故も相次いだが、それでも「水素ちゃんこ」の人気はじわじわと浸透し続けている。液体水素を使ったこの水素ちゃんこ、この夏に大ブレイクするのは必至の情勢である。

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