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オールザッツ ウルトラ科学

「相撲と肥満を科学する」

何(なに)かと分(わ)からないことの多(おお)い相撲(すもう)の世界(せかい)。
それを分(わ)かりやすく説明(せつめい)しちゃうぞ!

でぶはかせ

このコーナーの案内人(あんないにん)。相撲(すもう)とデブ(ぶーで)のことならどんなことでも知(し)っているんですよ?あと、宗教(しゅうきょう)とかは特(とく)にやっていません。

ののちゃん

はかせとなかよしなチビッコお相撲(すもう)さん。え?どうして服(ふく)着(き)てないのかって?やだなあ、それははかせと僕(ぼく)はこのあと[以下自粛]

 

ののちゃん

どうしておすもうさんはからだがおおきいの?

でぶはかせ

それはね、食(く)ってばかりで稽古(けいこ)しないからだよ。

ののちゃん

ふーん。けいこってしんどいの?

でぶはかせ

そうだよ。とってもつらく厳(きび)しいものだよ。

ののちゃん

おすもうさんは、たべてばかりだからふとるの?

でぶはかせ

そのとおり。褐色脂肪細胞(かっしょくしぼうさいぼう)はブドウ(ぶどう)糖(とう)や脂肪(しぼう)を燃焼(ねんしょう)させて熱産生(ねつさんせい)を行(おこな)い、体温(たいおん)の維持(いじ)にかかわっていると考(かんが)えられています。新生児(しんせいじ)や幼児(ようじ)ではわきの下(した)の中(なか)の部分(ぶぶん)や頚部(けいぶ)深部(しんぶ)、腎周囲(じんしゅうい)などに、成人(せいじん)でもわきの下(した)の中(なか)の部分(ぶぶん)や腎周囲(じんしゅうい)などに多(おお)く見(み)られます。褐色脂肪細胞(かっしょくしぼうさいぼう)の特色(とくしょく)は、脂肪(しぼう)が複雑(ふくざつ)な代謝経路(たいしゃけいろ)を通(とお)らずに直接消費(ちょくせつしょうひ)されることです。このため自由(じゆう)にエネルギー(えねるぎー)を放出(ほうしゅつ)、熱(ねつ)が産生(さんせい)され、カロリー(かろりー)が消費(しょうひ)されます。つまり、カロリー(かろりー)消費(しょうひ)が多(おお)ければ脂肪(しぼう)の蓄積(ちくせき)は抑制(よくせい)される訳(わけ)です。この褐色脂肪細胞(かっしょくしぼうさいぼう)の減少(げんしょう)や機能障害(きのうしょうがい)が生(しょう)じた場合(ばあい)には肥満(ひまん)が起(お)こってくることが考(かんが)えられます。また、褐色脂肪細胞(かっしょくしぼうさいぼう)を活発(かっぱつ)に働(はたら)かせるにはアドレナリン(あどれなりん)が必要(ひつよう)ですが、褐色脂肪細胞(かっしょくしぼうさいぼう)のアドレナリン(あどれなりん)受容体(じゅようたい)の異常(いじょう)でも肥満(ひまん)が起(お)こることが最近(さいきん)の研究(けんきゅう)で明(あき)らかにされています。白色脂肪細胞(はくしょくしぼうさいぼう)は、褐色脂肪細胞(かっしょくしぼうさいぼう)と異(こと)なり、脂肪(しぼう)を蓄積(ちくせき)するタイプの細胞(さいぼう)です。妊娠末期(にんしんまっき)に妊婦(にんぷ)が脂肪(しぼう)、炭水化物(たんすいかぶつ)を主(しゅ)とした過剰(かじょう)な栄養素(えいようそ)を摂取(せっしゅ)すると、胎児(たいじ)の脂肪細胞(しぼうさいぼう)として白色細胞数(はくしょくさいぼうすう)が増加(ぞうか)します。さらに生後(せいご)1年(ねん)の乳児(にゅうじ)が炭水化物(たんすいかぶつ)を主(しゅ)とした過剰(かじょう)エネルギー(えねるぎー)を摂取(せっしゅ)すると、やはり白色脂肪細胞数(はくしょくしぼうさいぼうすう)が増(ふ)えます。その結果(けっか)、肥満(ひまん)に移行(いこう)するといわれています。このような増殖型肥満(ぞうしょくがたひまん)が小児期(しょうにき)に発生(はっせい)し、そのまま成人肥満(せいじんがたひまん)になるときには、肥満細胞(ひまんさいぼう)のサイズも大(おお)きくなり、重症(じゅうしょう)の肥満(ひまん)になりやすいのです。思春期(ししゅんき)に炭水化物(たんすいかぶつ)の多(おお)い過剰(かじょう)エネルギー(えねるぎー)を摂取(せっしゅ)しても、白色脂肪細胞(はくしょくさぼうさいぼう)が増(ふ)えて同(おな)じように増殖型肥満(ぞうしょくがたひまん)に移行(いこう)していきます。視床下部(ししょうかぶ)の摂食中枢(せっしょくちゅうすう)のバランス(ばらんす)が崩(くず)れて過食(かしょく)に陥(おちい)ると肥満(ひまん)が起(お)こってきます。その原因(げんいん)としては、視床下部付近(ししょうかぶふきん)の腫瘍(しゅよう)などが見(み)られます。また、ストレス(すとれす)が加(くわ)わると満腹中枢(まんぷくちゅうすう)に何(なん)らかの影響(えいきょう)をきたし過食(かしょく)になることも、様々(さまざま)な研究(けんきゅう)から報告(ほうこく)されています。さらに満腹感(まんぷくかん)を感(かん)じているのに、つい食(た)べ物(もの)を口(くち)にする人(ひと)がいますが、これは満腹感(まんぷくかん)という信号(しんごう)を無視(むし)することになります。こんな状態(じょうたい)を続(つづ)けていると、食欲中枢(しょくよくちゅうすう)が狂(くる)ってしまい、いくら食(た)べても満腹感(まんぷくかん)を感(かん)じられない体(からだ)になってしまいます。

ののちゃん

わかんねーよ。
テキスト:今川開発(いまがわかいはつ)
イラスト:脂肪肝聡(しぼうかんさとし)

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